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色素沈着は、茶色いという点では、一般的なしみと似ていますが、しみとは性質や治療法が大きく異なります。
また、色素沈着部位のご相談はお顔だけでなく、お体(わき、鼠径部、臀部、背部など)も多いことが特徴です。
色素沈着の治療はなかなか一筋縄ではいきません。
肌に強い刺激を加えるとかえって逆効果になることも多く、根気よく内服、外用、肌治療を重ねていく必要があります。
色素沈着には大きく分けて2つのタイプがあります。
わきや鼠径部、臀部などでよくみられるタイプです。
継続的な剃毛や、下着による摩擦、座った際の圧迫などによって、長い期間かけて定着する色素沈着です。
このタイプの色素沈着は、色素沈着を悪化させる習慣や皮膚への刺激が現在進行形で継続していることが特徴です。
治療と並行して、このような習慣等を軽減していくことが改善には重要となります。
やけどやケガ、にきびなど、皮膚に炎症を起こすイベントがきっかけになって生じるタイプです。
にきびなどが現在進行形で続いている場合は、その治療も並行して行いますが、基本的には炎症自体は収まっている場合は、生活習慣等の改善はさほど重要ではありません。
色素沈着の診断で重要なのはエピソードです。どのような経緯で色素沈着に至ったかというお話を詳しく伺います。
実際に拝見してみると色素沈着ではなく、あざの一種だったということもありますので、まずは本当に色素沈着なのかどうかを見極める必要があります。
色素沈着の治療では、内服と外用が重要です。
この点は肝斑の治療と似ています。
もっとも、肝斑と違って内服による改善効果は強いものではないので、肌治療も重要です。
色素沈着に対しては強い刺激を与えるとかえって濃くなることがよくありますので、反動的に濃くなるような強い刺激にならないように留意しつつ、少しずつメラニンを褪色、減少させていく治療が必要です。肌治療としては、レーザートーニング、ピコレーザートーニングを照射するのがもっとも効果的ですが、色素沈着はなかなか一筋縄ではいかないため、同時にイオン導入やケミカルピーリング、ライムライトというIPLなどをご提案することもあります。
非常に難治性の場合は、トラネキサム酸を主成分とした美白注射を受けていただくこともあります。
これらと同時に、保湿を中心とした日々のスキンケアや生活習慣改善もしっかり行っていく必要があります。
色素沈着は患者様も医師も非常に根気を要する疾患です。
パッとすぐ消えるような夢のような治療はなく、コツコツと治療を継続して、少しずつ結果を出す治療になります。
トラネキサム酸が奏功する肝斑よりも、もっと忍耐力が必要と言えるかもしれません。
治療期間は長期になることが多いですので、信頼関係を築ける医療機関での治療をお勧めします。