生理を遅らせるピルの種類と飲み方は?ピルを使った月経移動の方法を解説

「生理を遅らせるピルの種類が知りたい」
「ピルの飲み方について知りたい」
月経移動には、低用量ピルや中用量ピルを服用しましょう。
生理を遅らせたい場合には、中用量ピルを用いることが多いです。
目的 | 生理を遅らせる | 生理を早める |
---|---|---|
使用ピル | 中用量ピル | 低用量ピル 中用量ピル |
中用量ピルと低用量ピルの役割は、以下のとおりです。
- 中用量ピル
月経周期の変更や緊急避妊 - 低用量ピル
継続的な避妊と生理不順などのトラブル解消
中用量ピルの役割は突発的な生理日の調整です。
一方で、低用量ピルは長期服用によって継続的に生理日を調整することができます。
当記事では、生理を遅らせるピルの種類や飲み方、注意点などを詳しく解説しているため、月経移動を考えている方はぜひ参考にしてください。
いつから飲む?ピルで生理をずらす(早める・遅らせる)方法を解説

ずらしたい生理予定日の7日前から中用量ピルを飲み始めます。
ずらしたい生理の一つ前の生理開始日から5日目までにピルの服用を開始します。
生理を早めるのに低用量ピルを服用する場合、14日以上継続して服用する必要があります。
しかし、14日以上服用することが難しい場合は、より女性ホルモンの含有量が多い中用量ピルを10日間服用することも可能です。
生理を遅らせるピルの服用を開始する時期は、低用量ピルと中用量ピルで異なり、ピルの種類ごとに決まった日程で服用する必要があります。
低用量ピルと中用量ピルの飲み方は、以下のとおりです。
- 低用量ピル
休薬せずにずらしたい日数分の薬を服用する - 中用量ピル
生理予定日の5~7日前に飲み始める
参考:日本スポーツ振興センター|Health Management
生理を遅らせるピル2種類は、それぞれ服用するタイミングや日数が異なる点が特徴です。
次の項目からは、低用量ピルと中用量ピルの飲み方を詳しく解説します。
低用量ピルの服用中なら休薬せずにずらしたい日数分の薬を服用する
低用量ピルを服用中に生理を遅らせたい場合には、通常の休薬期間を設けずにピルを服用し続けることで生理日を遅らせることが可能です。
21錠タイプと28錠タイプがあるため、低用量ピルの種類にあわせて調整する必要があります。
生理日を遅らせるときの飲み方
- 21錠タイプ
21錠服用後に休薬期間を取らず、次のシートを続けて服用する - 28錠タイプ
プラセボ錠を飛ばして次のシートをすぐに開始する
21錠タイプと28錠タイプのどちらでも、休薬せずに生理日の調整にあわせて服用を続ける点は共通しています。
28錠タイプのプラセボ錠とは有効成分が含まれていない偽薬であり、低用量ピルの飲み忘れを予防することが目的の薬なためです。
低用量ピルで生理日を遅らせる場合には、21錠タイプと28錠タイプの飲み方にあわせて休薬せずに服用を継続しましょう。
中用量ピルは生理予定日の5~7日前に飲み始める
中用量ピルは、生理予定日の5〜7日前を目安に服用を始めて、生理日を調整しましょう。
個人差はありますが、中用量ピルを服用すると最大で7日程度まで生理を遅らせることが可能です。
服用を中止すると通常2~3日後に生理が始まるため、スケジュールとあわせて服用することが大切です。
中用量ピルを正しく服用するには、注意点を把握しましょう。
- 服用中に生理が来たら中用量ピルの服用を中断する
- 24時間ごとに服用する
- 飲み忘れに気づいたら当日中に服用する
中用量ピルは2日以上連続で飲み忘れると効果が期待できなくなるため、24時間おきになるべく一定間隔で服用する必要があります。
中用量ピルで生理を遅らせる場合には、生理予定日の5~7日前から服用を開始して計画的に服用しましょう。
生理を遅らせるピルの費用相場は約2,000~5,000円
生理を遅らせるピルの費用相場は、約2,000~5,000円となります。
低用量ピルと中用量ピルの費用相場は、以下のとおりです。
費用相場 | |
---|---|
低用量ピル | 月額2,000~3,000円 |
中用量ピル | 約5,000円 |
次の項目からは、低用量ピルと中用量ピルの費用相場を詳しく解説します。
低用量ピルは月額2,000~3,000円で継続的な服用が前提になる
低用量ピルの価格は、1シート(28日分)で2,000〜3,500円が一般的です。
低用量ピルの効果を維持するには毎日服用が必要なため、継続的に薬代がかかります。
低用量ピルの継続的な服用によって期待できる主な効果は、以下のとおりです。
- 避妊効果
- 生理痛の軽減
- 生理周期の安定
- 肌荒れの改善
- 子宮体がんのリスク低減
ピルオンラインクリニックによっては診察料などの薬代以外の費用がかかる場合があるため、その他の費用に注意が必要です。
低用量ピルの費用相場を項目ごとにまとめると、以下の内容になります。
低用量ピルの費用相場 | |
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薬代 | 月額2,000~3,000円 |
その他の費用 | 診察料:1,000~2,000円 送料:500円~1,000円 |
その他の費用には診察料や配送料があり、クリニックによって金額や有無が異なります。
- 診察料(初診料・再診療)
- 配送料(通常配送・最短当日発送のバイク便対応料)
薬代のみで低用量ピルを服用したい場合には、その他の費用を確認しましょう。
中用量ピルは約5,000円で一時的に服用できる
中用量ピルは生理日を調整したいときに一時的に服用できる薬で、1シートあたりの価格は4,500~5,500円が相場です。
月経移動に中用量ピルを使用する際は、3,000~5,000円程度の費用がかかります。
中用量ピルの費用相場 | |
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薬代 | 1シートあたり約5,000円 |
その他の費用 | 診察料:1,000~2,000円 送料:500円~1,000円 |
中用量ピルは1シートだけでなく、決まった錠数を処方してもらえる場合があります。
少ない錠の処方で費用を抑えられますが、クリニックによって処方できる単位が異なるため注意しましょう。
中用量ピルの主な効果は、以下のとおりです。
- 月経移動
- 月経困難症改善
- 生理周期の安定
- 緊急避妊
中用量ピルは、生理日を移動したいときに都度利用できます。
錠数に希望がある場合には、クリニックの公式サイトなどでどのような単位で処方しているのかを確認しましょう。
生理を遅らせる目的なら低用量ピルと中用量ピルは保険適用にならない
低用量ピルと中用量ピルは生理を遅らせる目的で服用する場合、保険適用の対象にはなりません。
保険適用は、生命維持や日常生活が困難と判断される病傷の治療などに限られるためです。
生理日の調整目的で低用量ピルまたは中用量ピルを服用する場合、すべて自費診療となります。
低用量ピルと中用量ピルの服用で保険適用になるケースは、以下のとおりです。
- 子宮内膜症の治療
- 月経困難症や月経前症候群の治療
低用量ピルと中用量ピルは、治療以外の目的以外で服用する場合には自費診療となります。
低用量ピルの副作用や注意点は?飲み初めに頭痛や吐き気を感じる場合がある
低用量ピルは飲み初めに頭痛や吐き気が発現する可能性があるなど、副作用や注意点を理解しておくことが大切です。
- 頭痛
- 吐き気
- ふらつき
- 避妊効果を期待するなら継続的な服用が必要
- 血栓症に注意が必要
特に、低用量ピルの飲み始めの時期にはホルモンの変化に反応し、頭痛や吐き気などの症状が現れることがあります。
次の項目からは、低用量ピルの副作用や注意点を解説します。
低用量ピルは飲み始めに頭痛や吐き気を感じやすいが服用の継続で収まる場合が多い
低用量ピルを飲み始めた際には、ホルモンバランスが変化によって頭痛や吐き気などの副作用が現れることがあります。
低用量ピルの服用を開始した1〜2週間は、以下の症状が出やすい傾向にあります。
- 頭痛
- 吐き気
- ふらつき
多くの場合は日常生活に支障をきたさない軽微な程度であり、継続して服用することで体が慣れて症状が改善します。
しかし副作用の程度や継続期間によっては、無理せず対処が必要です。
もし症状が続く場合は症状を緩和する薬の服用や、ピルの服用時間を夕食後や就寝前に変更することで緩和される場合があります。
副作用への対処法 | |
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頭痛 | 鎮痛剤の服用 |
吐き気 | 吐き気止めの服用 |
ふらつき | 服用時間の調整 |
また、副作用は低用量ピルの種類を変更することでも対処できる場合があります。
低用量ピルの副作用に関して、不安がある場合には医師に相談してみましょう。
避妊効果が期待できるのは低用量ピルを継続的に服用した場合のみ
低用量ピルで避妊効果が期待できるのは、継続的に服用した場合のみとなります。
低用量ピルに関する主な注意点は、以下のとおりです。
- 避妊効果を期待するなら継続的な服用が必要
- 血栓症に注意する
低用量ピルで避妊効果を期待する場合、1日1錠をなるべく決まった時間に服用する必要があります。
飲み忘れによって効果が期待できなくなるため、避妊目的で低用量ピルを服用するなら毎日の服用を習慣化しましょう。
また、低用量ピルの服用によって血栓症のリスクがわずかに高まります。
むくみやしびれなどの血栓症の症状を感じられた場合には、早めに医師に相談しましょう。
日常生活では、就寝前や入浴前に水分補給をするなどで血栓症の予防を目指せます。
低用量ピルの服用時には、飲み忘れや血栓症のリスク・予防に注意しましょう。
中用量ピルの副作用や注意点は?頭痛などの症状や飲み忘れに気を付ける必要がある
中用量ピルには副作用のほか、飲み忘れによって月経移動に失敗するなどの注意点があります。
中用量ピルを服用する際の副作用と注意点は、以下のとおりです。
- 頭痛
- 吐き気
- 胸の張り
- 生理日が近い場合や不順していると服用できない
- 飲み忘れで失敗する場合がある
次の項目からは、中用量ピルを使用する際の副作用と注意点を詳しく解説します。
中用量ピルの副作用は服用後2〜3時間後に頭痛や吐き気を感じやすい
中用量ピルの副作用は頭痛や吐き気などで、服用後2〜3時間後に感じやすい傾向にあります。
- 頭痛
- 吐き気
- 胸の張り
中用量ピルの副作用は、鎮痛剤の服用などで対処できます。
しかし、吐き気止めや頭痛薬を併用する場合には、ピルとの相性を確認することが大切です。
例えばアセトアミノフェンを含む頭痛薬はピルと飲み合わせが悪いため、避ける必要があります。
市販の鎮痛剤をアセトアミノフェンの有無で分けた表は、以下のとおりです。
- ロキソニンシリーズ
- イブA
- アダムA
- リングルアイビー
- バファリンA
- アネロン
- トラベルミン
中用量ピルの副作用は市販の鎮痛剤でも対処が可能ですが、飲み合わせに注意しましょう。
中用量ピルは生理日が近い場合や生理不順だと服用できない
中用量ピルは生理を遅らせたいときに効果的ですが、生理日の予測に誤りがあったり生理不順の傾向がある方は服用できません。
中用量ピルが服用できない可能性があるケースは、以下のとおりです。
- 生理日が近すぎる
- 生理不順
中用量ピルは子宮内膜を維持し、飲み終わった後に人工的に月経を引き起こす仕組みです。
よって、一時的に服用する場合には生理周期が整えておく必要があります。
中用量ピルは月経予定日の3日前から服用が可能ですが、なるべく確実に生理を遅らせたい場合は1周期前からの調整が有効です。
中用量ピルで生理を遅らせる場合には、整った生理周期で適切なタイミングである必要があります。
飲み忘れによって月経移動に失敗する場合がある
中用量ピルは、生理日を遅らせたいときに効果的ですが、飲み忘れにより月経移動に失敗する恐れがあります。
1日1回、同じ時間に必ず服用しなければならないため注意が必要です。
中用量ピルの飲み忘れに関するポイントは、以下のとおりです。
- 飲み忘れから24時間以上経過していないなら気付いた時点で服用する
- 2錠以上飲み忘れたら服用を中断する
食後や就寝前など、決まった習慣のあとに中用量ピルの服用を習慣化すると飲み忘れにくくなります。
飲み忘れによって不正出血や月経の早まりを引き起こすリスクがあるため、中用量ピルの服用中は服用管理が重要です。
生理を遅らせるピルに関するよくある質問
生理を遅らせるピルに関するよくある質問は、以下のとおりです。
- ピル以外で生理を遅らせる方法はありますか?
- ピルで生理を遅らせるにはいつから服用すれば良いですか?
- 生理を遅らせるピルはドラッグストアでも購入できますか?
- ピルで生理を早く終わらせられますか?
- ピルで生理をずっと止められますか?
- ピルを服用できない人はいますか?
- 生理を早めるか遅らせるかならどちらがいいですか?
次の項目からは、生理を遅らせるピルに関するよくある質問について解説します。
ピル以外で生理を遅らせる方法はありますか?
ピル以外で生理を遅らせる方法はありません。
食べ物や飲み物で生理が遅らせると噂されていますが、根拠がないためです。
もし食べ物や飲み物で生理が遅れた場合には、偶然の可能性があります。
ピル以外で噂される月経移動法
ピル以外では、ツボや運動などで生理を遅らせる方法が噂されています。
しかし、いずれも医学的根拠はありません。
またストレスや過度な運動、急激な体重変動が生理に影響を与える場合がありますが、意図的に生理をコントロールする手段としては推奨されません。
確実に生理日を遅らせたい場合は、医師の指導のもとで中用量ピルや低用量ピルを使用するのが確実性の高い方法となります。
ピルで生理を遅らせるにはいつから服用すれば良いですか?
生理を遅らせるためにピルを使用する場合、一般的に中用量ピルを生理予定日の5〜7日前から服用します。
服用を続けている間は生理が来ないため、遅らせたい期間に合わせて調整が可能です。
服用開始時期や調整方法は個人差があるため、医師に相談して指導を受けることが大切です。
低用量ピルを使用する場合には、休薬期間を設けずに有効成分が含まれる錠を飲み続けると生理を遅らせることができます。
どちらの場合も継続的な服用が重要で、飲み忘れがないようにする必要があるため注意しましょう。
生理を遅らせるピルはドラッグストアでも購入できますか?
生理を遅らせるピルは、ドラッグストアでは購入できません。
ピルは医師の処方が必要な薬であり、以下の方法で処方を受けられます。
- 最寄りの病院
- 最寄りの産婦人科やレディースクリニック
- ピルを取り扱っているオンライン診療サービス
購入を希望する場合は、まず医療機関を受診して、必要なピルを処方してもらいましょう。
また、アフターピルも薬局での処方はおすすめではございません。
インターネット環境と落ち着いた場所を用意できれば、自宅からでも診察を受けられるため多忙で通院が難しい場合にも負担を軽減して利用することが可能です。
なお、処方はアフターピルおすすめオンラインクリニックを利用すると通院の手間を軽減することができます。
ピルで生理を早く終わらせられますか?
ピルを使用してすでに始まった生理をすぐに終わらせることはできません。
しかし低用量ピルと中用量ピルの服用によって、生理中の負担軽減や普段の周期よりも早く終わらせる効果を期待できます。
- 低用量ピルを継続的に服用する
- 中用量ピルを服用して生理周期を調整する
まず、低用量ピルの継続的な服用によって、生理中の負担を軽減することが可能です。
低用量ピルには経血の量を減らし、生理期間を短くする効果が期待できます。
次に、適切な中用量ピルの服用で普段の周期よりも早めに生理を終わらせる効果が期待できます。
一時的に生理日を調整できるため、結婚式などの重要なイベントと生理の重複を予防することが可能です。
ピルで生理をずっと止められますか?
ピルで生理をずっと止めることはできません。
しかし、連続投与できるピルであれば一定期間生理を止めることが可能です。
例えば、超低用量ピルのヤーズフレックスだと最長120日まで生理を止められます。
低用量ピルであれば、生理中の負担軽減にも役立てられます。
生理をずっと止めるピルは存在しませんが、長期間の停止や生理の負担軽減などで役立てることが可能です。
ピルを服用できない人はいますか?
ピルを服用できない人は、以下のとおりです。
- 妊娠中の人
- 重度の肝疾患がある方
- 血栓症のリスクが高い方
- 喫煙者で35歳以上の方
- 重度の高血圧の方
肝臓や血管などに既往歴がある場合には、ピルの服用が適さない可能性があります。
代謝や症状の悪化などを招く場合があるためです。
その他にも、片頭痛の頻発や糖尿病などの既往歴がある場合も注意しましょう。
ピルを服用する際には、医師に自分の健康状態を相談してから適切な判断を仰ぐことが重要です。
生理を早めるか遅らせるかならどちらがいいですか?
生理を早めるか遅らせるかは、予定や体調によって選択しましょう。
生理を早める場合と遅らせる場合の特徴をそれぞれご覧ください。
- 低用量ピルを1ヶ月前から服用する必要がある
- 遅らせたいタイミング当日にピルを飲む必要がない
- 生理予定日の1週間前後前から服用する必要がある
- 予定が近くても計画的にピルの服用を始められる
計画的に生理を早めたい場合は、低用量ピルを1ヶ月前から服用する必要があります。
計画的に準備できる場合には生理を早める方が便利で、重要な予定の最中にピルを飲む手間がありません。
一方、生理を遅らせたい場合は、中用量ピルを生理予定日の5〜7日前から服用します。
急な予定で生理日を調整したい場合には、遅らせる方が簡単で対応しやすいです。
どちらの方法も、医師に相談して選ぶのが適切です。
まとめ:生理を遅らせるピルは低用量ピルと中用量ピルの2種類がある
生理を遅らせるためには、低用量ピルと中用量ピルの2つの選択肢があります。
低用量ピルと中用量ピルの飲み方は、以下のとおりです。
- 低用量ピル
休薬せずにずらしたい日数分の薬を服用する - 中用量ピル
生理予定日の5~7日前に飲み始める
どちらを選ぶにしても、服用方法や副作用については医師に相談し、適切な指導を受けることが大切です。
- 避妊効果を期待するなら継続的な服用が必要
- 血栓症に注意が必要
低用量ピルと中用量ピルの計画的な服用で、都合にあわせて生理日を遅らせましょう。
どのクリニックで処方しようか迷われている方は以下是非参考にしてください。