ピルの種類には何がある?低用量ピルの違いや目的別のおすすめクリニックを紹介

「ピルの種類って何があるの?」
「低用量ピルの違いを一覧で知りたい!」と、ピルの種類や低用量ピルの違いが分からず、利用を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論、ピルはエストロゲン配合量の差で以下の4種類に分かれています。
- 超低用量ピル
- 低用量ピル
- 中用量ピル
- 高用量ピル

なかでも、低用量ピルや超低用量ピルは第1世代~第4世代まで大きく4種類に分類されており、種類によって期待できる効果が異なります。
この記事では、ピルの種類を一覧で紹介します。
また、ピルの処方を受けられるおすすめオンラインクリニックや、ピルの副作用についても併せて紹介するのでぜひ参考にしてください。
- ピルの種類と期待できる効果
- 低用量ピルの種類と違い
- ピルの種類が豊富なオンラインピル処方クリニック
ピルの種類を一覧で紹介!主な目的やエストロゲンの含有量を解説

ピルの種類は、エストロゲン(女性ホルモン)の含有量によって主に以下の4つに分けられます。
- 超低用量ピル
- 低用量ピル
- 中用量ピル
- 高用量ピル
同じピルでも、種類によって使われる用途は様々です。
それぞれのピルについて、以下で詳しく解説していきます。
また、エストロゲンは含まれていませんが、緊急避妊薬として使用される「アフターピル」についても解説するのでぜひ参考にしてください。
参考:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン
超低用量ピルは主に月経困難症や子宮内膜症の治療に使用
超低用量ピルは、主に月経困難症や子宮内膜症の治療に使用される薬です。
薬に含まれるエストロゲンの含有量が、0.03㎎以下のものを指します。
超低用量ピル | |
---|---|
服用目的 | 月経困難症や 子宮内膜症の治療 |
エストロゲン 含有量 | 0.03㎎以下 |
LEP(Low dose Estrogen Progestin)と言われる、低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬の1つです。
月経困難症や子宮内膜症の治療においては、保険適用内で処方を受けられます。
低用量ピルは月経困難症治療薬で自費では月経移動・避妊目的で使用される
低用量ピルは、月経困難症治療薬ですが、自費で処方してもらうものは月経移動や避妊目的で処方されます。
低用量ピルとは薬に含まれるエストロゲンの含有量が、0.05㎎以下のものを指します。
低用量ピル | |
---|---|
服用目的 | 月経移動や PMS改善・避妊など |
エストロゲン 含有量 | 0.05㎎以下 |
自費の低用量ピルは、経口避妊薬(Oral Contraceptives)を省略し、「OC」と呼ばれることもあります。
正しく内服することで排卵を抑えてホルモンの波を小さくするため、PMS(月経前症候群)の改善に効果が期待できると言われています。
ただし、保険適用になるのは「月経困難症治療」の目的の場合のみです。
(注:実際はPMSや月経不順の治療の場合も保険で処方されます。表向きは月経痛の治療という名目で保険適用になっています。)
飲み始めるタイミングで生理周期をコントロールできるため、月経日の移動にも効果的です。
中用量ピルは低用量ピルよりもエストロゲンが多く効果も副作用も強い
中用量ピルは、低用量ピルよりもエストロゲンの含有量が多いものを指します。
中用量ピル | |
---|---|
服用目的 | 月経困難症や月経不順治療 月経移動・避妊など |
エストロゲン 含有量 | 0.05㎎以上 |
中用量ピルは、ホルモン量の多さから他のピルより高い効果が期待できます。
しかし、頭痛や吐き気、不正出血、血栓症など、ピルによる副作用のリスクも高いです。
保険適用では、生理不順や月経困難症、過多月経などの治療に使用されます。
アフターピルは主に緊急避妊薬として使用する
アフターピルは、緊急避妊薬として使われる薬です。
アフターピル | |
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服用目的 | 緊急避妊薬 |
種類※ | レボノルゲストレル法 ウリプリスタール法 |
※ヤッペ法は副作用の点から推奨されなくなっているためここには掲載していません。
ピルの種類の中の1つととらえられがちですが、そうではありません。
主成分はプロゲステロン(黄体ホルモン)であり、性交後72時間以内に内服することで約97〜98%の避妊効果が期待できます。
緊急避妊薬として使われている薬剤は2種類です。
使われる薬剤によって効果が期待できるリミットの時間が異なります。
薬剤名 | 内服方法 | メリット |
---|---|---|
レボノル ゲストレル法 | 処方後すぐに1錠内服 (72時間以内) | 効果が高い 内服が1回 副作用が少ない |
ウリプリスタール法 | 処方後すぐに1錠内服 (120時間以内) | 副作用が少ない 有効期限が長い |
いずれも早く飲むことでより効果が期待できるため、必要な場合は早めに病院を受診しましょう。
低用量ピル・超低用量ピルの種類は4種類!保険適用や薬シートのタイプを一覧で紹介

低用量ピルの種類は、世代ごとに4種類に分けられます。
各世代の保険適用の有無や特徴は、次の通りです。
世代名 | 第1世代 | 第2世代 | 第3世代 | 第4世代 |
---|---|---|---|---|
ピルの名前 | ルナベルLD/ULD (フリウェルLD/ULD) | トリキュラー (ラベルフィーユ) | マーベロン (ファボワール) | ヤーズ(ドロエチ) ヤーズフレックス |
特徴 | 子宮内膜症や月経困難症の改善目的で利用 | 生理周期が安定しやすく、不正出血が起こりにくい | ニキビや肌荒れの改善に役立つ | 利尿作用があり、むくみにくい 男性ホルモンを抑える作用がある 月経困難症に保険適用 |
ホルモンの配合 (相性) | 一相性 | 三相性 | 一相性 | – |
保険適用の有無 | 保険適用 | 自費 | 自費 | 保険適用 |
※()内はジェネリック
ピルは各世代で特徴が異なります。
それぞれの特徴について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
第1世代(ノルエチステロン)は子宮内膜症や月経困難症の改善に効果が期待できる
第1世代の低用量ピル・超低用量ピルは、子宮内膜症や月経困難症の改善、月経時の出血量減少に効果が期待できます。
第1世代の低用量ピル・超低用量ピルには以下の種類があります。
世代名 | 第1世代 |
---|---|
ピルの名前 | ルナベルLD/ULD(フリウェルLD/ULD) |
特徴 | 子宮内膜症や月経困難症の改善目的で利用 |
ホルモンの配合 (相性) | 一相性 |
保険適用の有無 | 保険適用 |
薬の種類によっては、子宮内膜症や月経困難症の改善目的で保険適用可能です。
副作用として他の世代より不正出血が起こりやすいのも特徴の一つです。
第2世代(レボルノゲストレル)は生理周期が安定しやすい
第2世代の低用量ピルは、全て三相性*のピルであり、生理周期が安定しやすいという特徴があります。
第2世代の低用量ピルには以下の種類があります。
世代名 | 第2世代 |
---|---|
ピルの名前 | トリキュラー(ラベルフィーユ)・ジェミーナ |
特徴 | 生理周期が安定しやすく、不正出血が起こりにくい |
ホルモンの配合 (相性) | 三相性 |
保険適用の有無 | 自費 |
3相性なので副作用や不正出血が起こりにくいと言われています。
そのため、「生理周期が安定しない」「副作用による不正出血が多い」という方におすすめです。
しかし、第2世代に含まれるレボルノゲストレル(黄体ホルモン)により、男性ホルモンが活性化しやすく、副作用(体臭の増加や多毛)が出るリスクが高いとも言われています。
*三相性ピルとは…ホルモンの量が三段階に分かれている低用量ピル。自然のホルモンバランスと近い周期で増加するため、副作用が出にくく安定しやすい。
第3世代(デソゲストレル)はニキビや肌荒れなどの改善に役立つ
第3世代の低用量ピルは、ニキビでお悩みの方におすすめです。
第3世代の低用量ピルには以下の種類があります。
世代名 | 第3世代 |
---|---|
ピルの名前 | マーベロン(ファボワール) |
特徴 | ニキビや肌荒れ改善に効果的 |
ホルモンの配合 (相性) | 一相性 |
保険適用の有無 | 自費 |
特に1相性の低用量ピルでは早く効果が出やすいため、ニキビや肌荒れ改善に役立ちます。
また、ホルモンの配合バランスが変わったことで、全ての種類が一相性*になっています。
治療は全ての薬で自費診療です。
第4世代(ドロスピレノン)はニキビやむくみの改善に効果的
第4世代のピルは超低用量ピルのみが発売されており、最小限のホルモン配合量で作られています。
第4世代のピルには以下の種類があります。
世代名 | 第4世代 |
---|---|
ピルの名前 | ヤーズ(ドロエチ)・ヤーズフレックス |
特徴 | 利尿作用があり、むくみにくい 男性ホルモンを抑える作用がある 月経困難症に保険適用 |
ホルモンの配合 (相性) | -1相性 |
保険適用の有無 | 保険適用 |
そのため、他の世代に比べて副作用が起こりにくいです。
また、男性ホルモンを抑える作用があり、ニキビの改善に役立ちます。
さらに、利尿剤を開発する途中で発見されたため成分の構造が利尿剤と似ており、利尿作用によるむくみの改善にも効果的です。
2023年4月現在では、保険適用でPMSや月経困難症改善などにのみ処方されており、避妊を目的した処方は受けられません。
シートタイプは主に21錠タイプと28錠タイプがある
低用量ピルには、主に21錠と28錠のシートタイプがあります。
21錠タイプ
└21日内服→7日休薬→次のシート28錠タイプ
└21日内服→7日偽薬を飲む(ヤーズやドロエチは4日間)※→次のシート
※飲み忘れを防ぐため
1シート21錠タイプは、21錠全ての薬にホルモンが含まれており、内服後に休薬期間が必要な薬です。
一方、1シート28錠タイプは、21錠のホルモンが含まれる薬と7錠の偽薬が含まれており、毎日薬を飲み続けます。
※ヤーズやドロエチは24錠のホルモンが含まれる薬と4錠の偽薬
飲み方は異なりますが、どちらの方法でも効果に違いはありません。
そのため、「ちゃんと休薬期間を設けられるか心配」「飲み忘れそう…」という方は、28錠のシートタイプがおすすめです。
ピルは避妊やPMS改善など様々な目的で使用可能

ピルの利用目的には、主に次の3つがあります。
- 経口避妊薬として利用する
- 月経痛やPMSなどの改善
- 生理予定日をずらす
ピルは、避妊やPMS(月経前症候群)の改善など、様々な目的で使用されます。
それぞれの目的について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
ピルの服用で99.7%の避妊効果がある
低用量ピルには、99.7%の避妊効果があります。
なぜなら、低用量ピルには排卵を抑制する効果があるからです。
その他にも、子宮内膜の増殖を抑え着床しにくくしたり、子宮に精子が入りにくくなる効果も期待できます。
しかし、正しく内服できていないと避妊効果は低下してしまうため、医師の指示に従って正しく内服することが重要です。
月経痛やPMSの改善ができる
低用量ピルを内服すると、月経痛やPMS(月経前症候群)の改善が期待できます。
改善できるしくみはそれぞれ以下の通りです。
月経痛
子宮内膜の増殖が抑えられ、生理時の子宮の運動を抑えるため
PMS
女性ホルモンの急な増減がなくなり、それに伴う症状が改善されるため
そのため、ひどい月経痛やPMSでお悩みの方は、ピルの処方を受けるのがおすすめです。
場合によっては、子宮内膜症や月経困難症などの病気が隠れている場合もあるため、気になる方は医師の診察を受けましょう。
生理予定日をずらすことができる
ピルは内服することで、生理予定日をずらすこともできます。
主な生理移動の方法は、次の通りです。
生理移動の方法 | |
---|---|
早めたい場合 | 早めたい生理の1つ前の生理開始5日目までに低用量ピルを飲み始める。 14日以上継続し、服用中止すると2〜3日で生理が開始する。 |
遅らせたい場合 | 生理予定日の5〜7日前に低用量ピルを飲み始める。 生理を遅らせたい日まで内服し、中止すると2〜3日で生理が開始する。 (7日~10日程度まで遅らせることが可能) |
生理予定日をずらすためには、正しい知識が必要です。
生理移動は予定日の直前では間に合わないため、2〜3か月前から医師に相談するようにしましょう。
ピルの副作用は?吐き気や血栓症のリスクを解説

ピルの副作用には、吐き気や頭痛、乳房の張りや痛み、不正出血などがあります。
これらの副作用は、飲み始めて2〜3か月で徐々に治まっていくことが多いです。
また、体質に合ってない場合は、ピルの種類を変更すると副作用が軽減することもあります。
そのため、数か月経っても副作用が治まらない場合は、処方を受けた医師に相談するのがおすすめです。
参考:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン|日本産科婦人科学会編
血栓症のリスクが高くなるため定期的な検査が必要
ピルを内服すると、血栓症のリスクが高まると言われています。
血栓症は、10,000人に3〜9人程度に起こる稀な副作用です。
この副作用は、喫煙や肥満などのリスクがある場合は、それらの因子を取り除くことで血栓症を予防することができます。
自分でできる血栓症予防は、こまめな水分摂取と長時間の安静を避けることです。
「血栓症のリスクが高いのでは…」と不安な方は、医師によく相談し内服の有無を検討するようにしましょう。
ピルの種類に関するよくある質問と回答
ここでは、ピルの種類に関するよくある質問について紹介していきます。
- ピルと低用量ピルの違いは?
- トリキュラーとマーベロンの違いは何?
- ピルの種類を変えるタイミングは?
- ピルの種類で何が違うの
- 服用のおすすめの時間帯は?
- 飲み忘れた場合の対処法は?
ここまでピルの種類について説明してきましたが、まだ疑問点や不安点が残っている方も多いかと思います。
気になる疑問がある方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
ピルの種類や低用量ピルの違いについて、知ることができたでしょうか?
ピルや低用量ピルの種類は多く、自分に合っているか判断するのは難しいため、まずは病院を受診するのがおすすめです。
オンライン診療で処方を受けたい場合は、以下のクリニックをチェックしてみてください。
- スマルナ
- メデリピル
- クリニックフォア
- DMMオンラインクリニック
- ケイ・レディースクリニック
ピルの種類について詳しく知りたい方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。