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ワキ汗・汗ジミ対策:制汗剤の選び方と医療でできること

脇汗による汗ジミを気にして上着を脱げない、といった経験はありませんか?

目次

洋服に大きな汗ジミができてしまった、暑くても上着を脱げずに汗だくになってしまう。日常生活で、ワキ汗(脇汗)とそれによる汗ジミに悩まされる場面は少なくありません。

例えば次のような経験に心当たりはないでしょうか?

  • 人前に出るとき、市販の制汗スプレーが手放せない
  • 汗ジミが怖くてグレーや薄色の服は避けている
  • 通勤や緊張する場面でワキ汗が気になり、上着を脱げない

もし思い当たることがあれば、あなただけではありません。

実は日本人の約10人に1人が多汗症に該当し、そのうち16人に1人(約6%)は特に脇の下の汗に悩まされているとの調査結果もあります。

近年、猛暑の影響やストレス社会による発汗増加もあり、脇汗対策に悩む人は増えていると言われます。ワキ汗は周囲にはなかなか打ち明けづらい悩みですが、実は多くの人が同じ悩みを抱えているのです。

ワキ汗対策としてまず多くの方が頼るのが、市販の制汗剤(デオドラント製品)です。

制汗剤には、汗腺にフタをして発汗そのものを抑える有効成分が含まれており、塗布した部分で汗腺内の水分と反応して角栓のフタを作り、物理的に汗の排出を抑制します。

例えばパウダースプレー、ロールオン、クリームなど様々なタイプがありますが、脇汗対策には肌に密着しやすいロールオンやクリームタイプが特におすすめです。

しかし、制汗剤にも限界があります。

通常の制汗剤は効果の持続時間が短く、汗を抑えるには毎日こまめに塗り直す必要があります。朝出かけに塗っても、真夏のように汗をかきやすい環境では汗ジミを完全に防ぎきれないこともあります。

また肌質によっては制汗成分でかぶれや刺激を感じる場合もあり、実際に使用後に発疹やかぶれが生じたケースも報告されています。特に多汗症レベルで汗の量が多い方にとって、市販の対策だけでは不十分と感じる場面も少なくありません。

制汗剤だけでは脇汗を抑えきれない場合や、より確実な対策を求めたい場合には、美容クリニックで行うボトックス注射という方法があります。

ボトックス注射とは、発汗を促す神経伝達物質に作用する薬剤(ボツリヌストキシン)をワキに注射し、汗腺の活動を一時的に抑える治療です。汗を出す信号に関与するアセチルコリンという物質の働きを弱めることで、過剰な発汗を予防できます。汗の分泌量自体が減るため、気になる臭いの軽減にもつながります。

この注射治療は元々シワ取り目的で広く使われていますが、原発性腋窩多汗症(ワキの多汗症)の治療としても有効性が認められており、日常的なワキ汗にも高い効果を発揮します。

当院でも、脇汗に対するボトックス注射治療を行っています。使用する製剤はアラガン社製のボトックス(ボトックスビスタ)や韓国製のボツラックスといった安全性の高い薬剤で、医師が適切な用量を見極めて注射します。

施術は外来で気軽に受けられる注射治療です。メスを使わず注射のみで行うため体への負担も少なく、1回の施術で長期間にわたり汗を大幅に減らすことが可能です。制汗剤では抑えきれなかった汗ジミも気にならなくなるでしょう。効果は永久ではありませんが、定期的に施術を受けることで良好な状態を維持できます。

治療を検討するにあたって、以下のような不安や疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは多汗症治療(ワキ汗ボトックス)に関するよくある質問にお答えします。

ボトックス注射は安全ですか?

はい、適切に施術を受ければ安全な治療です。ボトックスは世界中で医療や美容に使用されており、ワキ汗治療についても日本で厚生労働省の承認を受けています。正規品の薬剤を用い、経験豊富な医師が適切な量を注射しますのでご安心ください。ごくまれに注射部位の赤みや痛みが出ることがありますが、一時的なもので通常はすぐに治まります。

また、「汗を止めると体温調節に悪いのでは?」と心配になるかもしれませんが、脇の下の汗は全身の1%程度に過ぎず量自体が多くないため、発汗を抑えても身体への影響はほとんどありません。

注射の痛みが心配です。

個人差はありますが、細い針でごく少量ずつ複数箇所に注射するため、耐えられないほどの強い痛みが生じることは通常ありません。痛みが不安な方には、事前に皮膚を冷やしたりクリーム麻酔を併用することも可能です。実際に施術を受けた多くの方が「思ったより平気だった」と感じています。

汗が全く出なくなってしまうのですか?

いいえ、汗を完全に止めることが目的ではなく、あくまで過剰な分泌を抑える治療です。注射した部分の大量発汗はしっかり抑えられますが、完全に汗をかかなくなるわけではありません。そもそも全く汗が出ない状態は体温調節の上で望ましくないため、治療では日常生活に支障が出ない程度まで汗を減らすことを目標にしています。

注射後は「嘘のように汗ジミがなくなったが、よく見るとうっすら汗ばむ程度はある」という状態になり、多くの方にとって快適に過ごせるレベルになります。

脇汗を止めると他の場所から汗が出ると聞きました。

手術による多汗症治療では、代償性発汗(止めた部位以外で汗が増える現象)が問題となることがあります。しかしボトックス注射の場合、そのような副作用はほとんど報告されていません。むしろ、手汗治療の手術後に起こった代償性発汗を抑える目的でボトックスが用いられるケースもあるほどで、神経を切断する手術と比べて体への影響が少ない安全な方法と言えます。

ワキ汗や汗ジミは周囲の視線も気になり、なかなか相談しづらいお悩みかもしれません。しかし一人で抱え込む必要はありません。

日常的な脇汗対策としては、制汗剤の使い方を工夫したり汗取りインナーを活用することで改善する場合もあります。

それでもなお多量の汗にお困りの場合は、美容皮膚科でのボトックス注射という解決策があることもぜひ知っておいてください。注射による多汗症治療は、汗の量を根本から抑えることで毎日のストレスを大きく軽減できる可能性があります。

患者様お一人おひとりの症状や不安に寄り添い、最適な対策をご提案いたします。つらい汗ジミの悩み、まずは当院までお気軽にご相談ください。

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