落ちないメイクとして女性に人気のアートメイクですが「安全だと思って受けたら取り返しのつかない肌トラブルを招いてしまった!」という人たちがいます。そのほとんどは、正しいアートメイクの知識が無く、無資格者が行うアートメイクの施術を受けています。
では、どのようなトラブルがあったのか? 今回はアートメイクで実際に起こった肌トラブルの事例を交えてご紹介していきます。
無資格者が行うアートメイクとは?
無資格者が行うアートメイクとは、医師免許や看護師免許の持たない者が行う施術のことです。アートメイクは医師法における「医行為(医療行為)」に該当するので、無資格者が施術すると違法行為にあたります。
医師、歯科医師、看護師等の免許を有さない者による医業(歯科医業を含む。以下同じ。)は、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条その他の関係法規によって禁止されている。ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
引用:厚生労働省
無資格者施術が行う施術の多くは、医師が常駐していない個人サロンやエステのオプションで行われており、人体に危害を及ぼす恐れがあると知りながら肌に針を刺し色素を注入しています。
最近では、「医療機関と提携しています」などという謳い文句を掲げるサロンも現れ、安全であるように見せかけていますが、こちらも違法になるので注意してください。
近年、違法サロンの摘発も多くなってきたのですが、残念なことに違法サロンは後を絶たず肌トラブルも多発しています。今回、ご紹介するトラブルも無資格者が行う違法サロンでの被害になっています。
アートメイクが医療行為であるということを知らない方もまだまだ多く、アートメイクに関しては正しい知識を身につけることが重要です。
実際にあった!重大なトラブル6選
ここでは実際に寄せられたトラブルの事例をお届けするので見ていきましょう。
事例1:施術部位が化膿した
友人の口コミで知った店で、眉のアートメイクを受けた。3回で1コース。1回目の施術は問題なかったが、2回目の施術後化膿した。皮膚科の診察を受けて、針や色素に問題がある可能性があるといわれた。いわゆる刺青と同じなので本来は医療行為だとは知っているが、医院で行うと倍の費用がかかる。顔が腫れたので仕事もキャンセルした。
(危害発生年月:2011年6月、東京都・30歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
このケースはアートメイクが医療行為と知りつつ価格帯に惹かれ、クリニックではなく無資格者が行う違法サロンで施術したと考えられます。針や色素に問題がある可能性を指しているので、衛生管理が徹底されてなかったことやアレルギーの可能性があったのではないかと考えられます。
事例2:角膜に傷がついた
フリーペーパーの広告に載っていたエステサロンでアイラインのアートメイクをした。施術中に痛みがあり、痛いと言ったにもかかわらずそのまま施術された。終了後、軟膏なんこうのようなものを塗られ、視野が曇っていると言ったら軟膏のせいだと言われ帰宅した。しかし、痛みと涙が止まらないので救急で眼科に行ったところ、角膜が傷ついていることがわかった。
(危害発生年月:2011年5月、東京都・30歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
アイラインのアートメイクを受けた30代女性の事例です。アイラインアートメイクは高度な技術を要し、少しでも手元が狂うと重大な事故になりかねません。このケースでは角膜に傷がついていたとが判明しています。一歩間違えば失明の可能性もある恐ろしいトラブルです。
事例3:痛みと腫れが続いている
1週間ほど前アートメイクをしているサロンで眉のアートメイクを受けた。業者の説明では多少は腫れるがすぐに治まるとのことであったので安心して受けた。しかし施術中から痛く、今も眉の回りが赤く腫れて痛みがある。恥ずかしくて外出もできない。
(危害発生年月:2020年11月、石川県・40歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
事前にカウンセリングやダウンタイムの説明はあったようですが、ダウンタイムが終わっても痛みと腫れが引かないというトラブルです。どのような環境下での施術だったのか詳細が分からないのですが、衛生管理や施術者の技術に問題があったのではないかと考えられます。
事例4:かさぶたが治らない上ラインがおかしい
アートメイクをしているサロンで眉とアイラインのアートメイクをした。以前にも眉のアートメイクをしたことがあるが、その時は1週間ほどでかさぶたが取れきれいになったのに、今回はかさぶたのままできれいにならない。しかも、右眼のアイラインは色が濃すぎて互い違いになっている。苦情を言うと除去液を使って修正すると言われたが、業者の技術が信用できない。
(危害発生年月:2011年7月、兵庫県・30歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
眉とアイラインのアートメイク施術を受けた30代女性の事例はクリニックではなく違法サロンでの施術を受けトラブルに発展しています。女性はサロンにクレームを伝えたようですが、アフターケアの対応も悪く、サロンへの信用がないまま修正施術を受けるのは不安でしかないと思われます。
事例5:誤って眼の下に色が入ってしまった
エステサロンで上まぶたのアイラインのアートメイクをしてもらったが、痛かったので思わず眼をギュッと閉じてしまった。まぶたが動いた拍子に針が下まぶたに刺さり、眼のふちから5ミリくらいのところに色が入ってしまった。医師を紹介されたが、色素を抜く際にまつ毛が抜ける可能性があり色素が抜けきれるかも保証できないという。
(危害発生年月:2010年4月、神奈川県・30歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
違法エステサロンでに施術トラブルです。クリニックであれば医師がすぐに対応できますが、医師も看護師もいない違法サロンでは何の対処もしてもらえないでしょう。後に医師を紹介されたとのことですが、元通りになる保証もなく、もしかすると、色素が抜けるまで数年待つ可能性もあります。
事例6:友人の自宅で施術したが眉の形が変になってしまった
友人宅で眉のアートメイクをした。施術したのは友人の娘で、麻酔薬を眉に塗り手彫りで入れた。施術後痛みが出て眉が腫れた。皮膚科を受診したところ、消毒がきちんとできていなかったからだと言われ、アートメイクは医師でないものがやってはいけないことだとも言われた。薬で腫れは治まったが、眉の形が左右でずれ形も変になった。
(危害発生年月:2011年6月、東京都・60歳代・女性)
引用:アートメイクの危害
今、セルフアートメイクを行う人が増えています。このケースも、友人の娘が施術したようですが、知識も技術もないまま、いつものメイク感覚でアートメイクをすると後悔することになります。セルフアートメイクはリスクしかないと覚えてください。
美容サロンと美容クニリックの違い
美容サロン、美容クリニックの違いについて説明します。美容サロンも美容クリニックも脱毛、美肌ケア、痩身など扱うメニューは同じような内容なのに何が違うのか分かりにくいですよね。
美容クリニックは医療機関になり、医師免許、看護師免許を持つ資格保持者が治療を行いますが、美容サロンは医療機関ではなく、施術者も医師や看護師免許を持たないスタッフになります。美容サロンで医療行為をしたり、医療機器を取り扱うことも法律で禁止されています。
例えば、エステサロンでは、エステの技術を習得したエステティシャンや研修を受けたスタッフが施術を行います。個人サロンであれば、YouTubeなどでエステの技術を習得してサロンを開業することも可能です。
なぜならば、エステサロン開業やエステシャンになるための特別な資格は必要ないからです。
一方、美容クリニックは美容医療を専門とする医療機関になるので、医師免許・看護師免許が必要になります。資格保持者だけが使用できる医療機器を用いた施術を行います。身体の構造・機能に影響を与える高度な技術、最新の美容治療、最先端の機器を用いて行う施術は美容クリニックでしかできません。
皮膚を針で刺し色素を注入するアートメイクは医療行為にあたります。トラブルを防ぐためにも、美容クリニックで医師や看護師から施術を受けるようにしましょう。
【クリニック詳細】
Kinshicho Beauty Clinic〜ART MAKE〜
錦糸町ビューティクリニック〜アートメイク〜
住所:〒130-0022
東京都墨田区江東橋2-13-4
錦糸町シティビル1階
アクセス:JR 錦糸町駅 東京メトロ 錦糸町駅 徒歩2分
電話番号:0120-191-373(受付時間:平日土日 10:00~19:00)
診療時間:10:00〜19:00
休診日:水曜日と祝日